慶應義塾大学 理工学部 数理科学科

非線形解析セミナー

タイトル Trudinger-Moser 不等式の最大化問題の臨界非線形項
開催日時 2019年6月5日 16:45 ~
主催者
講演者 中西 賢次 氏(京大・数理研)
場所 慶應義塾大学理工学部 14棟 733 (創想館 7階 ミーティング3)
内容 この講演は Ibrahim, Masmoudi, Sani との共同研究(arXiv:1902.00958)に基く。Trudinger-Moser 不等式は、有界関数空間への Sobolev 埋蔵が破綻する臨界ケースにおいて指数型積分の有界性を与えるもので、最良の非線形増大度での不等式は Moser (1971)により、その最良定数を達成する最大化元の存在は Carleson-Chang (1986)によって示された。これらは有界領域の場合であり、全空間ではその指数非線形項を冪で割った増大度が臨界になることが Ibrahim-Masmoudi-Nakanishi (2015)により示されたが、その場合に最良定数が達成されるかは未解決だった。本講演では、全平面と円盤の場合について、最大化元の存在・非存在の境界となる臨界非線形を漸近展開で求め、その帰結として[IMN2015]の非線形項も最大化元を持つことを示す。円盤の場合と比較すると、最大化問題の臨界非線形項との差が小さい為、漸近展開が第3項まで必要になる。証明は、エネルギー等分割で2つの最大化問題に分けてコンパクト性を回復し、非線形積分は対数座標でのソリトンで近似し、展開第3項はソリトン周りの線形化を用いて得られる。
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